尿管結石が鎮痛剤で、自然排出できない大きさであると診断されたとき、私達は手術という選択をしなければなりません。しかし、尿管結石の手術は昔と今とでは随分と変わったところもあるのではないでしょうか。昔ならばストレートに石を取り除くためのメスを使った手術です。なにか今の現状思えばぞっとしてしまうような光景ではありませんか。 まず衝撃波による結石体外破砕。これが開発されたのが1980年ころです。衝撃波の焦点を結石に合わせて、何千発も発射させることによって、結石を粉々にして尿から排出させてしまう方法てす。もう一つ、結石の大きさが衝撃波による結石体外破砕で対応出来ないときには、内視鏡による手術方法がとられます。いずれにせよ、メスという観念から八十年以降回避することが出来たということは言える訳ですが、内視鏡という方法は尿道の先端から管を通して、その管の先端から発射する衝撃によって結石を砕くという方法なのです。
尿道の先端から管を通すということにも、メスと同じような恐怖感を抱いてしまいます。内視鏡についてはまた別の機会でお話ししたいと思いますが、それでも内視鏡によって随分と手術の観念も変わったということも言えるのではないでしょうか。そして、主観的にならなければ、おおよそ内視鏡手術というものを人に理解させるのもなかなか難しいものです。内側を見るための鏡くらいは言葉で想像出来ますが、それをどうやって挿入させるのかは、なかなか伝わりにくく、かつ結構肝心な問題です。
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